審査を終えて
新潟大学教育人間科学部教授・鎌田正喜

『身近な不思議出発点に』
最終審査に残った研究は、普段見過ごしてしまうような、それでいて誰もが「なんでだろう? 不思議!」と思うような身近な生物の秘密に焦点をあて、研究方法を工夫しながら、いきいきわくわくと秘密の解明にチャレンジしている作品が多かった。
県知事賞の「シロツメ草の研究−動く葉の不思議を探る−」は、シロツメ草が夜になると三ツ葉を閉じるという話が研究と幸運の糸口となった。太陽(光)の動きに合わせて葉が動くことや、葉の開閉が太陽(明暗)だけでなく植物の持つ体内時計(のようなもの)によっても影響を受けることを解明したもので、緻密な観察や実験に裏打ちされた深みのある研究展開が高く評価された。
県教育長賞の「オオシオカラトンボのなわばりの観察」は、トンボへのマーキングを工夫して多くの個体を丁寧に識別観察したもので、トンボのナワバリや生態について根気よく研究した力作である。「あれ〜、身長がちぢむの?」は成長しているはずなのに身長が縮むのは変!という子供らしい素朴な疑問から生まれたユニークな研究で、1日のうちでも朝から昼までに身長が1〜2センチ急激に縮むこと、縮むのが下半身であること、寝ると回復することなど、実験結果と結論がスッキリと納得できる好作品であった。
他の各賞に選ばれた研究も力作ぞろいであった。「蚕の遺伝と生態研究−」は長期の継続研究で粘り強さを感じた。「がんばりやのセミ」はセミの羽化の秘密、「歩き方にかくされたひみつ−」はダンゴ虫の歩行の秘密解明に実験装置を工夫して意欲的に取り組んでいた。「ありじごくへの挑戦」、「つららのマジックショー」も継続研究から生まれた問題にチャレンジして新たな発見につながった。
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