審査を終えて
新潟大学理学部教授・和田清俊

『自然に学び本にも学べ』
多彩な内容の作品があり、どれも優劣をつけがたいものであった。それらの中で、「キアゲハ4」は自分の推論を大切にし、実験に工夫をこらして、積極的に専門家の助言を求めるなどの点が評価された。
「打ち水」の研究は難しい課題に挑戦し、大がかりな実験を行った点が、また、「植物が好む光」の研究は、光源に発光ダイオードを選んだ工夫や、手堅い実験に好感が持たれた。
結論に驚きを感じさせる研究が高い評価を得た。驚きを感じさせるとは、誰も知らなかったことをあきらかにすることである。すでに知られていることを確認するだけでなく、未知のことをあきらかにするところに研究の価値がある。研究テーマについて、何がわかっていて、何がわかっていないかを勉強することも大切である。自然の中や身の回りに疑問を見いだすと同時に、本に書かれたことの勉強もおろそかにはできない。
作品のまとめ方には工夫が必要なものも見受けられた。科学レポートの書き方、文章の書き方は教えられなければわかることではない。関係の先生方には、この面での積極的な指導をお願いしたい。
キアゲハの研究では、7月の水害のために幼虫の数が少なく、材料集めに苦労したらしい。困難を克服しての成果は、災害続きに苦しんだ地域の人々に希望を与えてくれるだろう。
今年は新潟盲学校からの出品があり、「わくわく賞」が与えられた。鶏卵の鮮度の変化を手触りやにおいで調べたものだが、視覚に不自由があっても、例えば、呈色反応を音信号に変換して測定するなどの道具の工夫をすれば、一般的な実験も可能である。これからもさまざまな実験に取り組み、積極的に応募してほしい。
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