審査を終えて
新潟大学教育学部准教授・興治文子

『さらなる挑戦に期待』
どの作品も身近にあるテーマやきっかけから研究を始めており、楽しんで研究している様子が感じられた。今年は日本人がノーベル物理学賞・化学賞を受賞し、日本の科学研究のレベルの高さがあらためて評価された。いずれのすばらしい研究も、こういった探求する楽しみを持ち続けた結果である。
県知事賞を受賞した「くっつく?くっつかない一円玉〜水面上に浮かぶ一円玉の研究3〜」は丹念な実験・観察と豊富なデータをもとに、水面上で一円玉がくっついたり反発したりする原理を解き明かしたものであった。継続研究であるが、過去の研究でよく理解できていなかった部分を突き詰め、新しい研究テーマとして深く掘り下げていた。
県教育長賞の「物質が水に溶ける時に、互いに影響を与えるのか」は授業で扱った内容から、「二つの物質を水に溶かしたら溶解度に影響があるのだろうか」という素朴な疑問を突き詰めたものであり、統一した条件下で数多くの実験に取り組んでいた。「輪ゴム劣化の研究−なぜ、輪ゴムはきれやすくなるのか−」では、直射日光では劣化が進んだことから、熱や紫外線の影響はどうだろうかと研究テーマがどんどん膨らんでいた。紫外線(UV)クリームを輪ゴムに塗って紫外線の影響を調べるなどユニークな発想があった。
今回の研究成果は、まだまだ発展性があると感じられたテーマも多くあった。原理が難しいものもあったが、研究ではすぐに結論が出ることはほとんどない。壁にぶつかって試行錯誤するのも、また後から振り返ってみれば楽しいものである。何より、研究成果が出たときの満足感は筆舌に尽くしがたい。皆さんの次の研究へのチャレンジを期待している。
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