いきいきわくわく科学賞2008 基本要項 研究の進め方 審査発表 表彰式風景 表彰作品 受賞者の感想

審査を終えて
新潟大学理学部教授・和田清俊



『大切な謙虚さと誠実さ』

 例年、地学関係の作品は少数なのですが、今年は、最終審査に残った作品のうち5作品までが地学関係であり、その頑張りぶりを頼もしく思いました。もちろん、生物関係でも今後一層の奮起を期待します。
 「海岸植物の生態について」は科学部による継続研究ですが、従来の調査地に浚(しゅん)渫(せつ)の砂が積み上げられて植生が失われてしまったとのことです。それにもめげず、むしろ裸地からの植生回復を新しいテーマとして研究を進めたところに意欲を感じました。「佐渡新穂の地質」は地道な調査の結果を地震時の災害予測に発展させました。沖縄の植物「カニステル」の研究は中学生らしい素朴な疑問とたんねんな観察記録に好感が持てました。「泥岩のもようのなぞ」と「火山の成長の様子」はモデル実験のアイデアが面白く、「緑のカーテン」は身近なものに目を向けたことが新鮮でした。二つの「流星の観察」研究は、それぞれ異なる視点からのもので、いずれも観測にとどまらないユニークな考察が立派でした。ただし、どれも多少の思い込みや考え違いがあり、まとめにも工夫の余地がありました。今後、これらの点を改善されることが望まれます。
 今年は四人の日本人研究者がノーベル賞を受賞されました。そのお一人は、ノーベル賞をもらったことよりも自分たちの理論が実験的に証明されたときの方がうれしかったと話しておられます。社会的名誉を獲得することよりも、自然の法則や仕組みを解き明かすことの方が大切で、より大きな喜びを得られるものだということでしょう。自然の前で、研究者はこのように謙虚で誠実であらねばなりません。若い皆さんは、このことをこそ見習って下さい。

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