いきいきわくわく科学賞2009 基本要項 研究の進め方 審査発表 表彰式風景 表彰作品 受賞者の感想

審査を終えて
新潟大学理学部教授・和田清俊



『科学に先入観は禁物』

 今年は最終審査に残った8作品のうち7点が生物関係でした。「葉脈の研究」は、庭に植えられたコナラの木の葉にいろいろな大きさのものがあるのを見て、葉脈の数に違いはあるのだろうかと疑問に思ったことから出発しました。疑問はさらに、葉脈から出る細脈、葉、小枝の数へと広がり、どれも5の倍数であることを見いだしました。自然の持つ秩序は美しいものです。次々に新しい問題を見つけて解決していった研究の進め方、大きい葉と小さい葉をしっかり定義して区別し、たくさんの枚数の葉について調べた研究方法、わかりやすいグラフと適切な文章によるまとめ方のどれもが県知事賞にふさわしいものでした。「錯視の研究」が取り組んだ、白黒で模様を描かれたコマを回転させると色がついて見えるという問題は、色の見え方に個人差があって解析が難しいのですが、見本に使うカラーチャートを工夫し、たくさんの人に見てもらって客観的なデータを集めた点が優れていました。「天気とモリアオガエルの産卵の関係」など、他の作品もどれもが興味深いものでした。
 いくつか注意して欲しい点も見うけられました。まず、データが示すこととは異なる結論を出してしまっている作品がいくつかありました。これは、こうであるに違いないという思いこみがあるからです。科学に先入観は禁物です。始めから答がわかっているのではないかと思われる作品もありました。疑問をいだくこと、そしてそれを解きあかすことこそが研究のはずです。膨大なデータを集めたように見えても、実はまとめ方に工夫が足りなかったものもありました。科学は知識の共有ですから、他人にわかってもらえるように工夫することが大事です。

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