「プロとして 仕事白書」は、さまざまな職業で「プロ」としての道を歩む人たちの仕事の現場と、思いを伝えるシリーズとして、水曜の新潟日報朝刊に掲載しています。このホームページには、紙面掲載記事に加え、記者の取材後記「プラス・アルファ」や、テーマ別会議室「コーヒーブレーク」もあります。意見交換、交流の場として、記事の感想やご意見をどんどんお寄せください。
「夢」追い求め視野広く
番外編 大学生座談会(下)
右から星野悟さん、佐藤秋乃さん、宮沢拓さん、奥井恵梨子さん、佐藤智徳さん
シリーズ「プロとして 仕事白書」のまとめとして、NPOやサークル活動を通じて仕事に関心がある新潟大学生5人と担当記者に語ってもらった。後編となる今回は職業選択の難しさ、就職への不安感などについて話し合った。
(本文中敬称略)
■就職へ揺れる思い
上林 これは大変そうだなと感じた仕事はありますか。
佐藤秋 バスガイドの庄山智子さん。立ちっぱなしだし、お客さんの中には、静かに景色を見ていたいという人もいれば、話を聞きたいという人もいる。体力的にも、精神的にもきつそう。それなのに笑顔でいられる。疲れたときに笑顔でいるのが一番大変。
宮沢 好きじゃなかったら仕事にできない。僕は素直に笑いたい。
上林 宮沢さんは飲食業界を目指しているということですが、連載を読んでプレッシャーが膨らんだということはありませんか。
宮沢 バーテンダーの吉田尚さんは「三年たっても雑用しかさせてもらえない人もいる」と言っている。飲食業界はそういうものだと分かっているつもりだけど、何かをやらせてもらえるまで3年も、自分の意識が保てるかどうか。
佐藤秋 海上保安庁潜水士の池睦さんは、常に危険と隣り合わせ。わたしだったら怖い。だけど、それに立ち向かっていかないと仕事にならない。それと、年齢的な限界、体力の限界がある仕事だと思う。自分がバリバリ働ける時間が短い。第一線を退いた後は、どうするのかな。
上林 現役で活躍できる期間が短い仕事は嫌ですか。
佐藤秋 自分の考え次第だと思うけど。池さんは後輩を育てるとかでやりがいを見いだすのかな。わたしだったら、ピークが過ぎた後の身の振り方で不安になると思う。
佐藤智 今は第二新卒という言葉もあるけれど、一度就職した後に辞めて、本当に別の職業にチャレンジできるのだろうか。
宮沢 安定を求めたいというのもある。飲食店をやるのであれば、いずれ独立することになる。だけど辞めるには勇気がいると思います。
■職業選択の難しさ
星野 僕は転職してもいいと思うし、終身雇用にもこだわりはない。
平賀 起業することも選択肢の一つですか。
星野 まだ決めていないですが、地元に貢献したい。就職活動は、僕にとって最初の職業を選択するという感覚。生涯の仕事を(就職活動が始まる)大学3年のときに決めなくてもいいと思う。むしろ決められない。情報、体験が少なすぎる。「プロとして」を読んで、熱いものを持った人が、こんなにたくさんいるのかと思った。そんな意識のある人がいるのなら会社はもっと学生たちに伝えるべきだし、伝えられた学生も視野が広がるはず。
佐藤智 自分の親の仕事ぐらいしか知らないまま就職活動の流れに乗りたくない。身近に輝いている人がたくさんいるのだから、もっと触れあいたい。
平賀 NPO法人(「虹のおと」)の活動で経営者に会うのは、そういう意味もあるのですか。
星野 学生に危機感はある。それは新潟の学生も、東京の学生も変わらない。「虹のおと」では長期のインターン(就業体験)や経営者の話を聞くことで、進路選択の参考にしてもらっている。
奥井 記事を読んで、最初からやりがいのある仕事、自分に向いている仕事はないんだと気付いて楽になりました。楽しいと感じられるまで時間もかかるだろうし、ある程度突き詰めていかないと、自分に向いているかなんて分からないんじゃないかな。記者として実際に取材をして感じたことはありますか。
上林 葬祭ディレクターの関武浩さんは、仕事をしてから死生観が変わったと話していた。真剣に打ち込んでいるからこそ、ものの見方や価値観が変わってくる。それと「人のやりたがらない仕事だからやった」という言葉も印象的でした。
平賀 わたしは六人の取材をしました。共通して言えるのは、質問に素早く的確に答えていたこと。自分の仕事に対して真剣に向き合っているからこそできること。それがプロなんだなと痛感しました。
◎座談会出席者
◇学生(いずれも新潟大)
星野 悟さん 経済学部4年 23歳
宮沢 拓さん 法学部3年 20歳
奥井 恵梨子さん 農学部3年 22歳
佐藤 智徳さん 教育人間科学部3年 21歳
佐藤 秋乃さん 教育人間科学部2年 19歳
◇担当記者(司会)
平賀 貴子 学芸部記者 27歳
上林 陸来 報道部記者 23歳
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