通年企画「復興へ中越地震」
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奇跡の救助から3年、元気に

 「貴子と真優を思い出さない日はないが、優太が元気なのは何より」。中越地震で発生した長岡市妙見町の土砂崩れの現場から奇跡的に救出された魚沼市の皆川優太ちゃん(5才)の祖父敏雄さん(71)が23日、長岡市で開かれた合同追悼式に出席した。今も消えない無念さを吐露する一方、来春小学生になる孫の元気な成長を強く願った。

 土砂崩れでは、優太ちゃんの母貴子さん=当時(39)=と姉真優ちゃん=同(3才)=の二つの命が失われた。敏雄さんは当時の記憶が薄れることはない。式典後には「がれきに埋もれた2人を前に何もしてやれなかったことが、今もやりきれない」とうつむいた。

 追悼式では祭壇にじっと手を合わせてしばらく動こうとしなかった。式典で歌を披露した小学生の姿を、今年小学1年になっていたはずの孫娘に重ね「真優が生きていれば、こんなふうに…」と目を潤ませた。

 今の生きがいは優太ちゃんを育て上げること。優太ちゃんは22日、小学校の就学前健診を受けた。身長は120センチほどに伸び、体重も30キロ近くになった。来客が訪れても物怖じせずに気さくに話し掛けるなど、この3年でたくましさを増している。

 来春には、同い年の子どもたち100人余りとともに小学校に上がる。もう数字や平仮名も書けるようになり、ランドセルをしょって通学するのを楽しみにしている。夜寝る前には、母と姉の仏前に「おやすみ」とあいさつするのが日課。地震の話題に触れまいとする周囲に気を遣ってか、最近は亡くなった2人を話題にすることが減ってきたという。

 好奇心旺盛な優太ちゃんは近ごろ、「ジェット機のパイロットになりたい」と将来の夢を話しているという。「素直に、強く生きてほしい」。敏雄さんは祈るような口ぶりで語った。

新潟日報2007年10月24日

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